パート先のスーパーが入社5ヶ月で閉店したよシリーズの続きです。
(前回のあらすじ)
朝礼にて、店長から「従業員全員参加の社長による説明会に必ず出るように!」と言われ、閉店するんだかしないんだかよくわからないまま、とりあえず従業員説明会に出席することになりました。
問題だらけの従業員説明会
まず会場が遠い
当時スーパーは県内に7店舗ほどを運営しており、パートを含めた総従業員数も結構な人数がいた。
そこで広めの会議室を借りて、数店舗合同の従業員説明会が開催されることとなった。(スーパー各店舗の営業にも最低限の店番が必要なので、2日間、午前午後の複数回に分けて交代で出席した。)
会場まで車で片道1時間かかる場所だったので、(社長が来いや!)と割と本気で思いながら往復2時間を運転して行った。(なお、この移動時間と説明会は勤務時間とカウントされ、給料、ガソリン代は別途支払ってもらえた。)
社長のお話
「えー慢性的に赤字が続いておりました当社ですが、本年4月からいよいよ首が回らない状態が続いておりました…。」(要約)
「つきましては、本年9月に全店舗を閉店し、『ミウリサキマート』様(仮名)に会社を譲渡売却することとなりました。」
「従業員の希望者は基本的に全員、『ミウリサキマート』様(仮名)に再雇用という形になります。」
(※会社名やロゴはもちろん仮のものです。)
『ミウリサキマート』(仮名)とは同業のスーパーマーケット会社である。
いわゆる会社を身売りする話だった。
事実上の倒産である。
あながち閉店の話は間違っていなかった。
入社わずか2ヶ月半で閉店ガラガラ決定の瞬間である。
ていうか、
4月から経営やばかったのに、よく4月に求人出したり採用したりしたね??
…と真っ先に思ったが、現場としては人が辞めて抜けた穴を塞ぎたかっただけだろうし、この会社の経営状況なんて本部のお偉いさんぐらいしか知らなかったのだろう。単純に店側を責めるのも難しい気がした。
はぁ…今のスーパー閉店して、別の会社、別のスーパーになるなら保育園の書類変更しなきゃなぁと思いながらボンヤリと話を聞き続けていた。
腹の立つ弁護士の話
続いて会社が契約しているであろう弁護士の話が始まった。
「まず、皆さんが気になるであろう有給の消化についてですが…」
「諦めていただくほかありません。」
(…は??)
「今は7月末。9月末までの残り約2ヶ月間、皆さんが一斉に有給を取ると会社が回らなくなってしまいます。」
「権利はある、とだけ申しておきますが、有給についてはご了承頂きたいと思います。」
う、うわーブラックだぁ…。
まぁ私、9月の閉店まで在籍してたとしても
5ヶ月しか会社にいなかったから有給発生すらしなかったんだけどねッ!!
(入社6ヶ月以降に有給がつくよ、と言われていた。)
(※そのときの私の心境の図。)
…しかし、長年在籍してたであろう他の従業員の方が不憫でなりません。
「有給は買い取れませんか?」
有給の説明が終わった後、従業員の1人が質問の挙手をした。
「有給が使えないとのことですが、残った日数分有給を買い取るなどはできないのでしょうか?」
弁護士はその質問を聞くなり、鼻で笑いながら答えた。
「フフッ、すいません、そんな質問が来るとは思ってなくて。」
「結論から言うとできません。諦めてください。」
なんだか人を小馬鹿にしたような腹の立つ物の言い方だった。できないにしろ、他に言い方とかさぁ…。
閉店は口外禁止
担当弁護士は淡々と説明を続けていった。
「閉店、譲渡売却についてはまだ誰にも言ってはいけません。」
「例えば、お客様に『この店つぶれるの?』と聞かれて、ハイそうですと答えたら、閉店を認めることになってしまいます。」
「そうなると取引先業者は『アンタの店やばいそうだからうちの商品持って帰らせてもらうわ!』ということになり、一斉に店舗から売る商品がなくなってしまいます。」
「お客様に聞かれても、知らぬ、存ぜぬを通してください。」
これは結構しんどかった。
というのも、レジをしていると何度も何度も閉店について聞かれるのに、「閉店?違いますよ。」と嘘をつき続けなければならなかったから。
説明会終わり
社長は最後に言った。
「この度は会社として大変残念な結果となってしまいましたが…」
「皆さんを乗せる最高の船をご用意したつもりです!」
…うーん、果たしてそうかなぁ。
私は沈みゆく泥船から、材質のよくわからない新しい船を突然用意され、さぁ乗れ!と言われたような気分だった。次を用意しておいてくれるだけマシだとは思うのだが。
こうしてなんだかすっきりしない従業員説明会は約1時間で終了した。
最後に、9月末で『スーパーぼろや』(仮名)を退職になること、10月からは希望すれば『ミウリサキマート』(仮名)に雇用になること、の書類を一筆書いて提出した。
よく考えてみた
しかしよく考えてみた。
別にこのスーパーに固執する理由なくね?
現時点のスーパーで、最低賃金ほぼギリギリの雇用契約。
土日祝日も交代シフトなので、保育園休みの日は、夫や義母に頭を下げて子供たちをみてもらっている。
そして次の雇用先になるであろう、この『ミウリサキマート』(仮名)。
県内ではよく知られたこちらも老舗スーパーなのだが、こちらも既存の店舗は割と古く、平たく言えばそこまで元気な企業ではない。(失礼ながら、よく『スーパーぼろや』(仮名)を買収できたな、と思ったぐらい…。)
既存の店舗も、最低賃金ギリギリでしか求人募集しているのを見たことがない。
つまりまた最低賃金ギリギリで労働することがほぼ確定している。
あと、「早くて閉店後2週間で、順次、店をリニューアルオープンしていく。」と言っていたので、あのボロボロの『スーパーぼろや』(仮名)をロクに修繕、改修しないまま、そのままオープンする可能性が高いことも気がかりだった。
しかも正直いつオープンするかもわからない。他店への転勤の可能性だってあり得る。
むしろスーパー業界にこだわらなくてもよくね?
そう思ってしまった私は、『ミウリサキマート』(仮名)への再雇用を希望せず、9月末でサッパリ退職することにした。
この説明会の段階で2ヶ月半程度しか働いていないので未練も何もない。全ッ然ない。
次いこ、次!!
失業保険もない
そして閉店までの5ヶ月間、辞めずに在籍していたとしても、私は失業保険の給付の適用外である。
他の辞める人は「失業保険もらいながらゆっくり探すわぁ~」なんて言っていたのだが、私は会社都合で勤務先が潰れようが、そこから求職活動をしても何ももらえない。(※会社都合退職の場合、過去1年間に6ヶ月以上働いてないとダメ。)
なんでこのタイミングで雇ったんだよ本当に…ッ!
閉店告知まで
さて、7月末の説明会で、9月末に閉店することが従業員に告知されたこのスーパー。
お客様に閉店告知をしたのはいつでしょう?
遅くとも9月に入ったらすると思っていたら、まだ発表されない。
9月中旬をすぎてもまだ発表されない。
正解は9月22日でした。
閉店が9月29日だったので、1週間前のギリギリ発表である。
遅ッ…!!
(閉店告知ってこんなもんなの…?)
そのへんはまた次回のお話にします。
一応次回でスーパー閉店話は一区切りです。
(↓続きはこちら。)
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↓ スーパー閉店話、その1。
↓スーパー最終日が台風だった話。